【PLAMOではヒケを安定的に改善します】
①ヒケの改善
充填圧力が必要な個所にダイレクトに充填圧力を高めヒケを改善します。
②最適化した製品形状の提案
シミュレーションソフトを駆使することで最適化した製品形状をご提案します。
③繊維配向の制御
繊維配向の制御はアンタッチャブルな領域です。PLAMOではこの領域に踏み込んで製品作りを行っています。
【ヒケ制御の考え方】
ここでは、ヒケの発生する仕組について説明いたします。
ヒケとは
製品表面がなだらかな凹状態になることを指します。製品形状が平面であれば判断しやすく、球面などの場合は判断し難い現象です。
その主たる原因は充填圧力不足といえます。プラスチックは熱を加えると溶融状態となり、高い充填圧力で金型内に射出され金型の形状に沿って様々な形に変化します。金型に流動した溶融樹脂は金型温度が溶融樹脂より低く設定されていることから冷却固化されて製品として取り出します。この冷却固化する変化にて樹脂が体積収縮することがヒケの原因になります。
「寸法精度向上」で説明しました成形収縮率がそれにあたります。
成形収縮率は様々な成形条件により変化しますが、大きく変化するパラメーターとして、
- 材質
- 充填圧力
- 製品肉厚
材質とは様々な樹脂材料によって収縮率はある程度決まっており、その材質によって収縮率が高いものや低いものがあります。収縮率が高いものはヒケが発生しやすいと言えます。
充填圧力とは射出圧力・保圧条件を指します。射出成形においてゲート(材料の流入口)は必須条件となり、ゲートから遠い製品部位は充填圧力が低下する傾向にあります。
溶融樹脂は金型内を高速高圧で流れますが、金型に溶融樹脂が振れることで固化が始まる。固化は金型内に流れる溶融樹脂のスペースを阻害する傾向になり、充填末端(ゲートから一番遠い部位)ではゲート付近の高い圧力と異なる充填圧力の低い部位となる。この部位にヒケが発生しやすくなります。
製品肉厚はヒケに一番大きく影響します。成形収縮率において肉厚との相関関係では厚肉であるほど成形収縮率が大きくなります。その傾向は成形収縮率の大きな材料(結晶性樹脂等)ほど顕著に表れます。薄肉部と比較して厚肉部は収縮率が増大すると製品表面がヒケやすい傾向であることが解ります。
また、ヒケは射出工程が終了し、冷却工程に進むと発生します。金型内でヒケが発生するということは金型に接している樹脂が金型から剥がれその隙間に空気層が形成されます。この空気層が冷却効果を阻害することでヒケ部の冷却が進まないこととなります。仮に冷却が進む場合は厚肉内部にボイドが出来るのですが、肉厚部の殆どの場合、空気層ができ大きくヒケることになります。
冷却の遅れは冷却時間を十分に取っても効果が限定的であるといったメカニズムはこのためです。
また、繊維状添加剤入り樹脂の場合、繊維の配向により収縮率が変化する現象も注意が必要です。添加剤の入っていない樹脂と比較すると収縮率は小さいので、ヒケに関してそれほど大きなヒケ量にはなりませんが、厳しい寸法精度などの場合、繊維配向のことも考慮してことを進めなければなりません。
ヒケの制御には上記3項目を上手に調整することで良質な製品を作り出すことが出来ます。
例えば充填末端がヒケることで、ゲートを追加して充填圧力差を緩和させる方法などです。
金型を起こす前に、事前に対策を講じたいものです。金型が出来上がってからの対策は様々な制約が生まれ、最大の効果が得られにくいことになります。成形サイクルが長くなったり、保圧を長時間掛けなければならなかったりと、不必要な管理や不良率の上昇に繋がります。
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